矯正歯科が必要なワケ
- 矯正治療は、歯並びを美しくするという見た目だけの改善ではなく、心と体の健康に深く関係しています。必ずしも矯正治療によって全てが解消できるとは言えませんが、少なくとも治療によって、それらが改善されるケースがあります。
たとえば、頭痛・肩こり、胃腸障害などの肉体面、イライラする・やる気が出ないといった精神面 まで、かみ合わせの悪さが引き起こす体の不調は多岐に渡ります。 |
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歯並びが悪いと、歯磨きによるブラッシングが細部まで届きにくくなります。そのため歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因になる場合もあります。 |
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歯並びの悪さが、精神的なコンプレックスになる場合があります。いわゆる「出っ歯」「受け口」と呼ばれる症状(=コンプレックス)などの改善は、精神面 にも影響します。 |
矯正治療を始める前に
- どういう治療法なのか、痛くはないか、期間はどのくらいかかるのか、費用はどれくらいなのか、と不安や疑問はつきものです。ご自分の体のことですから、自分自身の判断で治療にのぞむことは、とても大切なことです。
矯正治療は長期に渡る事が多く、基本的に健康保険がききません。(症状によっては適応ケースもあります)また、治療する範囲や使う装置によって異なりますので、まずは相談にいらして下さい。治療を始めるかどうかは、その後からで結構です。
治療の進め方
矯正治療にともなうリスク、副作用について
しっかりかめる健康なかみ合わせや、美しい歯並びの素敵な笑顔、矯正治療によるメリットは計り知れません。
しかし、すべての医療と同様に、矯正治療にもリスクや副作用があります。
良いことばかりに目を奪われず、デメリットやリスクについてきちんと理解した上で治療に臨みましょう。
- 1/ 痛み
個人差はありますが、矯正治療により歯を動かすため、痛みを感じることがあります。とくに治療の初期の装置装着後やワイヤーを交換した後は痛みを感じることが多いですが、数日間から1~2週間で慣れてきます。 - 2/ 後戻り
矯正治療後、歯は元の位置に戻ろうとする傾向があります。そのため、装置撤去後にリテーナー(保定装置)で後戻りを最小限に抑えます。装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。また顎の成長異常・歯周病・舌や口唇の癖・口呼吸や歯ぎしりなどにより後戻りが生じることがあります。 - 3/ 歯肉退縮・ブラックトライアングル
歯を動かすことにより、歯ぐきがやせて下がることがあります。また、歯の形にもよりますが、重なっていた歯がきれいに並んでくると、歯ぐきと両隣の歯との間に三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができることがあります。 - 4/ 歯根吸収
歯を動かすことにより、ごくまれに歯根が吸収して短くなることがあります。 - 5/ 歯髄壊死
歯を動かすことにより、ごくまれに神経が障害を受けて壊死することがあります。 - 6/ 顎関節症
矯正治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。 - 7/ むし歯・歯周病
治療中は矯正装置により歯を磨きにくくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。当院の歯磨き指導に従ってきちんとデイリーなケアを行うことが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。 - 8/ その他
•歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性もあります。
• 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
• 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
• ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
• 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
• 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
• 矯正装置を誤飲する可能性があります。
• 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
• あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
• 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
• 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。